結婚後も仕事を続けるべきか悩んでいる女性も多いのではないでしょうか。
結婚後はライフスタイルが大きく変化するため、仕事や働き方を選ぶことが大切です。
正社員として働き続けることや、やめることのメリット・デメリット、パートや派遣での働き方など、結婚後の働き方を詳しく紹介します。
結婚して仕事を辞めたらどうなる?
まず、結婚して仕事を辞めたときの下記の影響について見ていきます。
- 収入の安定性がなくなる
- 社会とのつながりが希薄になる
- 家庭のことに専念できる
それぞれ詳しく解説します。
収入の安定性がなくなる
結婚して仕事を辞めると、それまで働いて得ていた収入がなくなってしまいます。
結婚後はライフスタイルが変化しやすく、収入が減ると今までの生活レベルが維持できなくなる可能性もあるでしょう。
また、予期せぬ出費に対して備えがない状態で仕事を辞めると、いざというときに対応できなくなります。
生活費の節約が必要になると、生活の質にも影響が及ぶ恐れがあるのです。
社会とのつながりが希薄になる
結婚後に仕事を辞めて専業主婦になることに、憧れを持つ人もいるでしょう。
しかし、仕事を辞めることで職場や関連する人々との交流の機会が減少し、新しい人脈を築く機会が減ってしまうのです。
また、社会的なつながりが減ると、仕事における情報やトレンドにも疎くなるかもしれません。
これにより、将来の職業的な選択肢や、変化する社会環境への適応力が低下する可能性もあります。
家庭のことに専念できる
一方で、仕事を辞めて専業主婦になると、家庭のことに専念できるというメリットもあります。
子育てや家事に専念することで、家庭内の絆を深められるでしょう。
共働きをすると、家事の負担が大きくなる可能性があり、気持ちの余裕が失われやすくなります。
片方のみの収入で十分な生活と貯蓄ができるのであれば、結婚後仕事を辞めることも選択肢の一つです。
結婚後も仕事を続けるメリット
結婚後も仕事を続けると、生活にゆとりができる他に、出産や育児に関する福利厚生が利用できる場合もあります。
結婚後も仕事を続けるメリットは下記の3つです。
- 安定した収入が得られる
- 出産や育児に関する福利厚生が使える
- キャリアアップできる
それぞれについて解説します。
安定した収入が得られる
結婚後も仕事をすることで得られる最大のメリットは「安定した収入」です。
一定の収入が確保でき、生活にゆとりがもてます。
正社員に比べると金額は少なくなりますが、働く時間を減らしたい人や少し責任を軽くしたい人は、派遣社員やパートでも収入を得ることが可能です。
また、家計の負担を片方に背負わせることなく、お互いの収入でやりくりできる点もメリットです。
出産や育児に関する福利厚生が使える
企業は、働く女性の仕事と育児が両立をできる環境づくりや育児支援サービスなど、福利厚生の整備に積極的に取り組んでいます。
育児中の人でも働きやすい環境であれば、安心して仕事を続けられますね。
産休や育児休暇はもちろん、託児所の完備や手当の支給、働き方への柔軟な対応など企業によって様々な福利厚生があります。
このような制度が利用できるのは、仕事を続けるからこそのメリットです。
キャリアアップできる
結婚後も、これまでの経験を生かしてキャリアアップできます。
キャリアにブランクができないことで、今の会社で新たな仕事を任される可能性や、これまでの経験を活かして新たなステージで活躍することも十分可能です。
結婚後も仕事を続けることで、昇進や昇給の話が舞い込む可能性もあります。
キャリアにブランクができると再就職しづらい傾向があるので、結婚後もキャリアアップしていきたいと考えている人にとっては大きなメリットです。
結婚後に働き方を変える人の割合
厚生労働省の調査では、結婚後も何らかの形で仕事を続けている人の割合は82.5%です。
そのうち74.5%の人は正社員として仕事を続けているという結果が出ています。
結婚前に正社員だった人が変えた働き方 | 割合 |
正社員 | 74.5% |
パート・アルバイト | 5.2% |
派遣社員 | 0.5% |
契約社員・嘱託社員 | 1.9% |
その他 | 0.4% |
仕事なし | 14.7% |
参照:厚生労働省「第14回21世紀成年者縦断調査(平成14年成年者)の概況」
※本調査は第1回調査において独身(20~29歳)で、その後6年間で結婚した人を対象
結婚後も働くと生涯年収がこんなに違う
結婚後も働き続けることで生涯賃金は大きく変わります。
仮に、大卒の女性が結婚後も正社員として働き続けたとしたら、生涯で稼げる賃金は平均2億2千万円です。
しかし、30代くらいで会社をやめて家庭に入ってしまうと、30代以降にもらえるはずだった約2億円の収入がなくなります。
今後、子どもの教育費や老後のことを考えれば、生涯年収がこんなに違うと将来が不安になりますよね。
参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計 労働統計加工指標集 2021」
結婚後に仕事をやめたいと思う理由
結婚すると生活スタイルが大きく変わるため、やめることを検討する人もいます。
やめたいと思う具体的な理由は次のようなものです。
- 仕事と家庭の両立ができるか不安
- 配偶者や家族との時間を多く持ちたい
- 結婚後は家事や育児に専念したい
- 配偶者の収入で充分暮らしていける
結婚後に仕事を辞めたいと思う理由は、ライフワークバランスへの不安や生活スタイルへのこだわりなどがあります。
結婚後も仕事を続けたいと思う理由
一般的に結婚後も仕事を続けたい理由としては、下記のような理由が挙げられます。
- 安定した収入を得たい
- 積み上げてきたキャリアを捨てたくない
- 社会との接点を持っていたい
- 一度やめると再就職が難しい
- 教育費や老後の生活が不安
経済的な安定を望んでいたり、社会とのつながりを保ち続けたいという声が聞かれます。
結婚後も働き続けるなら派遣社員?パート?正社員?
結婚後も仕事を続ける場合、どのような雇用形態で働けばいいか迷う方もいるでしょう。
それぞれの特徴は下記のとおりです。
メリット | デメリット | |
派遣社員 | パートより給与が高い | 雇用期間の定めあり |
パート | 柔軟性の高い働き方ができる | 時給制なので安定性に欠ける |
正社員 | 福利厚生が充実している 収入が安定しやすい | 私生活とのバランスが取りづらい |
派遣社員として働くメリット
派遣社員の働き方にはメリットがたくさんあり、人によっては正社員よりも派遣社員の働き方が合っている場合もあります。
派遣社員として働くメリットを3つ紹介します。
勤務時間や勤務地が選べる
派遣の仕事は勤務地や残業の有無など、自分の都合にあった条件で選ぶことができるため、家庭との両立もしやすい働き方です。
契約満了ごとに更新するので、仕事が合わなければ自分の意思で契約満了を選べる特徴もあります。
そのため、仕事のストレスを抱える前に次の仕事を探すということも可能です。
パートより時給が高い
派遣社員はパートやアルバイトと比べると時給は高めです。
首都圏だと、パートの平均時給は1,134円、派遣社員は1,605円で、エンジニアなどの専門職は2,000円以上の求人もあります。
派遣には専門性が高い仕事もあり、高いスキルや経験があれば即戦力として活躍することもでき、正社員より給与が高いこともありますよ。
三大都市圏(関東・東海・関西) | 関東 | 東海 | 関西 | |
パート | 1,134円 | 1,177円 | 1,048円 | 1,110円 |
派遣社員 | 1,605円 | 1,712円 | 1,403円 | 1,433円 |
参考:株式会社リクルートジョブズリサーチセンター調べ
2022年8月度 派遣スタッフ募集時平均時給調査【三大都市圏(関東・東海・関西)】
2022年8月度 アルバイト・パート募集時平均時給調査【三大都市圏(首都圏・東海・関西)】
キャリアを生かせる
派遣の仕事は、今までの経験やスキルなど、キャリアを生かして仕事を選ぶことができます。
企業も即戦力になる人を求めているため、これまでと同じ職種で経験を生かせる仕事をしたい人は、紹介されやすい傾向があります。
派遣社員として働くデメリット
派遣社員は自由度が高く仕事を選べるなどのメリットがある一方で、下記のデメリットも存在します。
派遣社員として仕事をするときは、デメリットも理解しておきましょう。
期間の定めがある
派遣社員は雇用期間の定めがあるため、ずっと働き続けることはできません。
ほとんどの場合3ヶ月や6ヶ月の契約なので、期間満了のたびに契約を更新します。
更新を繰り返しても、最大3年までしか同じ企業で働くことができないので、注意が必要です。
派遣先の都合で契約が更新されないリスクもあることも覚えておきましょう。
責任のある仕事は任されにくい
派遣社員は期間の定めがあるため、責任のある仕事が任されにくい傾向があります。
マニュアル通りに行う簡単な仕事や単調な仕事を任されることが多いため、人によってはやりがいが感じられません。
パートとして働くメリット
パートは働き方が豊富でワークライフバランスも取りやすく、家庭と仕事のバランスをとりたい人にとっては、働きやすい雇用形態です。
結婚後は、パートで働くという選択肢もあります。
時間が選べる
パートで働く最大のメリットは、自分の都合に合わせて働き方を選択できることです。
決まった曜日を休みにすることや午前中だけの勤務にするなど、柔軟にシフトを組むことができます。
家庭を重視できる
一般的にパートの勤務はシフト制なので、自分のライフスタイルに合わせて働くことができます。
そのため、子育てや家事と仕事の両立をしたい人に向いている働き方です。
未経験でも働ける
パートの仕事は、ルーチンワークやサポート的な仕事が多い傾向にあります。
そのため、未経験OKの仕事も多く誰でも始めやすいのが特徴です。
求人も豊富なので、自宅の近くで仕事を探したいなど、希望に沿った仕事が見つけやすくなります。
パートとして働くデメリット
結婚後はパートとして働くことを検討する人もいるかと思います。
パートは社員や派遣に比べるとさらに自由度が高く魅力的ですが、気軽に働ける一方でデメリットもあるので、特徴を知った上で判断することが必要です。
時給制なので働いた分しか収入がない
パートの給料は時給制なので、勤務日数によって月の収入が変わります。
都合に合わせて働けるのはメリットですが、休みが多くシフトに入らなければ、その分収入は減るのがデメリットです。
社員や派遣社員に比べると給料は少なく、昇給や賞与もないので月収は低くなります。
スキルアップできる仕事がない
パートの仕事は限定的で範囲が狭く、サポート的な仕事がほとんどです。
気軽に働けるメリットがある一方、責任者などの仕事にもチャレンジしてみたいという人には物足りなさを感じることもあります。
将来もらえる年金が少なくなる可能性がある
フルタイムで働く場合には健康保険と厚生年金に加入しますが、短時間勤務の場合は条件を満たしていないため厚生年金に加入ができません。
その分、将来もらえる年金は減ってしまいます。
まとめ
「何を優先したいのか」で結婚後の働き方は変わってきます。
今の仕事を続けることが難しい場合でも、派遣やパートのように柔軟な働き方もできます。
結婚後の働き方に悩んでいる人は、無理なく仕事を続けるにはどのような働き方が合っているのか比較・検討してみましょう。